こんにちは!
九州地域で活動している宮崎県にある産廃専門事務所・行政書士法人TMsupportの上床(うわとこ)です。
今日はですね、また、「最終処分場」に関するお話をお届けします。
前に、処分場の許可申請において「地道で、ものすごく難しい土地の取得(取りまとめ)」について少し触れました。現場によっては数十筆、多いところでは100筆を超える土地を一つにまとめなければなりません。案件によっては、これが最大の「キモ」であり、一番の難所だと感じることも多々あります。
この土地の取りまとめですが、事業主さんが自力で一筆一筆、地権者さんを回って「譲ってほしい」と頭を下げて進める方法もあります。しかし時には、「もうすでにまとまった土地があるんだけど、買ってくれないか?」という話が舞い込んでくることもあるんですね。
こうした土地を提案してくる方々、いわゆる「ブローカー」と呼ばれる人たちが、この処分場案件にはよく登場します。
凄腕ブローカーと、その裏に潜む影
正直に言って、彼らは土地をまとめる能力に非常に長けています。処分場に限らず、太陽光発電施設や、最近流行りの蓄電池施設などでも、何十ヘクタールという広大な土地をきれいにまとめてくる。その手腕には本当に目を見張るものがあります。
でもですね。すべての方が優良なブローカーというわけではございません。
中には、詐欺まがいの手法を使ったり、正しい情報ではない「誤った情報」を意図的にくっつけて、いかにも価値があるように見せかけて仲介に入ろうとする、質の悪いブローカーも存在します。
はっきり言います。私自身、そういった「悪いブローカーの実態」を何度も目の当たりにしてきました。
相談者の方から、 「上床先生、こういう案件が来ているんだけど、この情報に乗っていいですか? それとも手を引いた方がいいですか? 先生の方からもちょっと確認してもらえませんか」 と頼まれ、ブローカーと事業主さんが席を共にする場に、私も同席させていただくことがよくあります。
そこで私が実際に遭遇した、「怪しいブローカーの常套手段(手口)」を紹介しましょう。
よくある怪しい手口:「役所のゴーサイン(事前協議完了)済み」という嘘
一番よく聞くのがこれです。
「土地はもうまとまっています。ここで処分場をやる件については、役所の方もゴーサインを出していますよ。事前協議はすでに終わっていて、あとは許可申請を出すだけです。役所がお墨付きをくれているので、確実に処分場ができます!」
このように「事前協議が終わっている」という言葉を巧みに使ってくるケース。ひどい例になると、それを「付加価値」として、土地代に数億円も上乗せしてふっかけてきた案件もありました。
行政書士の視点から言わせていただくと、処分場における「事前協議が終わっている」というのは、許可申請に必要な測量、設計、環境アセスメントなど、さまざまな専門家が動く作業が7割〜8割方終わっている状態を指します。
ところが、そのブローカーがドヤ顔で持ってきた書類を見てみると、厚さは1センチにも満たない。中身を開ければ、ただの計画平面図や位置図、土地の物件情報だけ。要するに、「ただの紙切れ同然の資料」しか揃っていなかったわけです。
役所の名前を出してハッタリをかまし、嘘の情報を乗っけて高く売りつける。こういうブローカーが実際にいますので、十分に気をつけてください。
⚠️ その案件、実は他社の「没案件(訳あり)」では?
そして、ここが非常に重要なポイントなのですが、悪質なブローカーが持って来る「すでにまとまっている土地」というのは、実は過去に別の事業者が処分場を計画していたものの、途中で断念した「没案件」「訳あり案件」であることが非常に多いのです。
- 「何かしらの関係法令に引っかかって、どうしても上手くいかなかった」
- 「実は一部の重要な土地だけ、どうしても購入できていない場所がある」
- 「地元との合意形成がどうしても不可能な致命的理由がある」
など、処分場の本手続きにどうしても踏み込めない「深い事情」が隠されているケースがほとんどです。
ですから、甘い言葉に飛びつく前に、まずはその隠された事情をクリアできるかどうかの「関係法令調査」を絶対に行わなければなりません。処分場に関わる法令は、環境、都市計画、農地、森林など、確認すべきものが数十個にも及び、非常に大変な作業です。
しかし、この関係法令調査を徹底的に行った上で、「本当にこの土地が活用できるのか」を見極める。この順番を絶対に踏まなければ、後から取り返しのつかないことになってしまいます。
なぜ騙されてしまうのか?
「そんなの、少し勉強している事業主なら嘘や訳ありだと見抜けるでしょ?」と思われるかもしれません。
しかし、こうしたブローカーの方々は、とにかく話が上手いんです。 物腰が柔らかく、ゆったりとした口調で、間の取り方も絶妙。すごく聞き取りやすい、安心感を与える営業アプローチをしてきます。
事業主さん側も「早く処分場を作りたい!」という強い熱意がありますから、つい「信じたい」という気持ちが先行してしまい、背中を押されてしまうんですね。
スピードは魅力。だからこそ、プロの目を。
もちろん、最初にお伝えした通り、すでにまとまっている土地をブローカーから買うこと自体は、悪いことばかりではありません。一筆一筆回る時間を一気にショートカットできるため、処分場完成までのスピードを爆発的に上げる大きなメリットがあります。
だからこそ、一部にそういった悪質なブローカーや、危険な没案件が紛れ込んでいる事実を、しっかりと頭に入れておいていただきたいのです。
もし、皆さんのところに「これ、すごく良い条件なんだけど……」という土地の案件が来ましたら、まずは一度ご相談ください。 私たちがプロの目で、数十に及ぶ関係法令の調査や事実関係の確認をしっかり行い、皆さんが罠に落ちないよう調べることができます。また、九州地域に留まらず、全国対応していければと思うところです。
というわけで今日は、処分場の土地取りまとめにまつわる「ブローカーのお話」でした。
九州地域で活動している宮崎県内にある産廃専門・行政書士法人TMsupportの上床でした。
ありがとうございました!

