【法改正】補助金は行政書士の領域へ。横行する “怪しい勧誘” の実態

こんにちは。九州エリアで産業廃棄物の処理施設(中間処理施設・最終処分場)を専門に扱っております、

行政書士法人TMsupportです。

最近は処分場に関する専門的な解説を続けてきましたが、今回は少し趣向を変えて、事業主の皆様も関心の高い「補助金」をテーマにお話しします。


■ 私たちが「補助金単体」のサポートをしない理由

国や自治体から返済不要の資金を受け取れる補助金は、初期コストを抑える強力なツールです。しかし、実は当事務所では「補助金単体の申請サポート」は積極的にはお引き受けしていません。

補助金申請には、経営コンサルタント的なセンスやビジネスアイデアを問われる部分が多くあります。私は自分自身をそこまで「商売上手」だと思っていないこともあり、お客様が人生をかけた大事業に対し、単体業務として100%の自信を持ってサポートをするのは、少し畑が違うなと感じるからです。

ただし、以下のような大規模プロジェクトに伴う補助金(数千万円から1億円規模のものなど)は別です。

  • 大規模開発工事や、工場などの大型建築物にかかる補助金(事業規模や企業母体が大きく、地方公共団体も協力的なため、着実に進められるもの)
  • リサイクル施設の設置に伴う補助金(経営センスというよりも、「事業内容がどれだけ環境に貢献できるか」という実務的な中身が問われるもの)

これらは、採択・不採択がセンスに左右されるような不確定なものではなく、クリアすべきゴールが明確に見える業務です。そのため、当事務所の強みを活かし、安心・安全にお手伝いさせていただくケースが多くあります。


■ 行政書士法の改正と、厳しくなった「無資格者への罰則」

なぜ、今このテーマなのか。実は、行政書士法が改正され、補助金申請が「行政書士の業務」として明確に確立されたからです。

もともと、役所に提出する書類作成は行政書士の独占業務です。しかしこれまでは、無資格のコンサルタントが「経営アドバイスの一環」として、あるいは形だけの役員・従業員を装って補助金申請を代行するケースが横行していました。

今回の法改正を機に、こうした「無資格での代行」に対する法律の目はより一層厳しくなっています。

法律が定める厳しいペナルティ

  • 業務の制限(行政書士法第19条): 行政書士(または法人)でない者が、報酬を得て官公署に提出する書類の作成などを業として行うことを禁止しています。
  • 重い罰則規定(同法第21条): 第19条に違反して無資格で業務を行った者には、**「1年以下の拘禁刑(懲役)または100万円以下の罰金」**という刑事罰が科されます。

専門知識や経験がない無資格者に依頼すると、申請ミスで補助金が出ないばかりか、事業者様自身も大きなトラブルに巻き込まれかねません。


■ 現場で見た「補助金ありき」の罠と1億円トラブル

実際、私が耳にした産廃施設の計画でも、次のようなトラブルがありました。

ある事業者様が、金融機関から「1億円の補助金が出ます!」と持ちかけられていました。金融機関が窓口になり、補助金サポート業務をしているケースがあることは、ご存じの方も多いかと思います。

ところが、いざプロジェクトを進めて蓋を開けてみると……

「産業廃棄物処理施設そのものには補助金が出ず、そこで使う『機械』に対してしか補助金が出ない」

ということが判明したのです。その額、なんと予定していた金額の半分以下……。

「1億円の補助金」を前提に資金計画を立てていた事業主さんは大激怒。金融機関側と深刻なトラブルに発展してしまいました。

補助金には必ず「採択・不採択」の審査があり、必ずもらえるとは限りません。さらに申請やその後のスケジュールにも非常に厳しい縛りがあります。

私の経験上、全体として「補助金は、通ればラッキー」程度にとどめ、「補助金がなくても、確実に利益を残して事業を継続できる計画」を立てている事業者様の方が、結果として経営が圧倒的に安定しています。


■ 私の事務所に届いた「怪しい裏話」

今回の法改正により、無資格で補助金代行をしていたコンサルタントたちは一気に動けなくなりました。その影響で、実は当事務所にも、驚くような打診が数件届いています。

要するに、「名前だけ貸してくれ(名義貸し)」「数万円、または手数料の数%を支払うから、共同提案という形で名前を載せさせてほしい」という持ちかけです。

もちろん、すべて即座にお断りしています。

先ほど紹介した通り、無資格者への名義貸しは法律に違反する行為です。万が一トラブルがあれば、すべての責任を負うのは名義を貸した「行政書士法人TMsupport」になります。そのようなリスクだらけの提携は、到底お受けできません。


■ 最後に

法改正を機に、今後、補助金に関わる行政書士はさらに増えていくと思います。

しかし、補助金は一歩間違えれば、行政書士にとっても、何より信頼してくださった事業者様にとっても、大きな「事故」になりかねない諸刃の剣です。

だからこそ、入念な打ち合わせを重ね、専門知識を持った信頼できるパートナーと一緒に、一歩ずつ確実に事業を実現させていくことを強くお勧めいたします。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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